暖房費の節約

暖房器具と冬の生活の工夫の色々

暖房費に関しての位置付けも、冷房と同じです。節約はトータルシステムとして考えましょう。

暖房器具

暖房経費で基本的に安い順位は、灯油、エアコン、ガス、電気です。

ただし、最近の原油の値上がりや技術の進歩で、機種によってはエアコンが最も安い経費で済みます。
灯油に関しては、ファンヒーターの方がストーブより燃焼が効率的ですし、温度調整がこまめに出来ますので、若干経済的になっています。

エアコンに関しては冷房を中心に述べたエアコンも参照してください。
ただし、エアコンは室外から熱を取り入れますので、外気温が0度近辺から、それ以下になると非常に効率が悪くなります。寒冷地では適さないものと言えます。冬期に(いつも0度以下が続くような場合は、灯油、ガス又はエアコンの順位になります。ガスの場合は、ガス会社、ガスの種類によってかなりの違いがあります。)

なお、電気暖房一般と、エアコンを同一視している誤解も蔓延しています。単純に作動W数だけで経済性を語っている場合もあります。また、コントロール性を無視した意見も多いようです。コントロール性が悪ければ無駄に暖めすぎてしまいます。

電気自身で熱を直接発生させるものは、かなり効率が低くなります。ですから、電気カーペット、電気ストーブは非常に不経済ですが、電気こたつは実使用上では、暖める範囲が非常に狭い為、わりと経済的です(部分暖房)。また、熱の流失も簡単な工夫で防止出来ます。

暖房器具や部屋の大きさや諸物価によって違いが出ますが、概ね、一時間あたり、灯油ストーブ類で、8円から、17円。エアコン、8円から、20円。電気ストーブ、10円から、50円。電気こたつ、3円から、5円。電気カーペット、12円から、20円。ガス、12円から、20円。
機種や使い方(外気温、設定温度類)によって相当に逸脱しますので、感覚的なものと理解して下さい。

単に設定温度だけでなく、遠赤外線を多く発生させるものは、人体そのものが暖められますので、より暖かく感じられます。(赤外線は水分を持っているものに吸収されます。)暖かさは部屋の温度(空気の温度)だけでは決まりません。

電気ストーブ

下記に暖房器具の表を乗せましたが、電気ストーブに関しては、色々なものがありますので、一部について言及します。

電気ストーブは発熱体に各種のものがあります。基本的には発熱体が明るくないものが、経済性や効率が良いようです。赤外線は目には見えません。発生帯域が赤外線、遠赤外線近辺に集中していれば、効率もよく、目に見える明るさも低いわけです。明るい光を発しているものは、多くのエネルギーが熱よりも可視光に変わってしまっているからです。

その意味で、最もすぐれていて有名なものがサンラメラです。電気エネルギーが、ほぼ遠赤外線に転換していて、まったく赤熱しませんし、火傷の心配もあまりありません。経済性も高い電気ストーブです。メイン暖房としても充分使える性能です。ただし、購入価格がやや高いのが難点です。

低価格で普通の電気ストーブとサンラメラとの中間的な物がカーボンヒーターです。
中でも綿花で作ったオーガニックカーボンヒーターがややすぐれています。
これは、ハロゲンヒーターのほぼ二倍程度の効率になるようです。また、ハロゲンヒーターのような瞬発力があります。どちらかと言えばスポット暖房ですが、温暖地のかつ小さな部屋なら、メインで使えます。

各種暖房器具

 

暖房器具 熱源 コントロール性 安全性、快適性 実経済性 初期投資
灯油ストーブ 灯油の燃焼熱 悪い。芯の上げ下げ。 換気が必要。湿度は保てる。 非常に良い。 非常に安い。
灯油ファンヒーター 灯油の燃焼。ガス化して燃焼。 良い。インバーターに依る出力制御が一般的。タイマー運転も可。 換気が必要。湿度は保てる。 非常に良い。 普通から安い。
灯油FF式ファンヒーター 灯油の燃焼。ガス化して燃焼。 良い。インバーターに依る出力制御。タイマー運転も可。 換気が不要。湿度は保てない。 非常に良い。 やや高い。
ガスストーブ ガスの燃焼。 悪いから普通。 換気が必要。 良いから、やや悪い。 安い。
ガスファンヒーター ガスの燃焼。 良い。タイマー運転も可。 換気が必要。 良いから、やや悪い。 普通。
ガスFF式ファンヒーター ガスの燃焼。 良い。タイマー運転も可。 換気は不要。 良いから、やや悪い。 やや高い。
エアコン 外界の熱エネルギー。 非常に良い。タイマー運転も可。 非常に良い。換気も不要。 良いから、普通。 やや高い。
超省エネ型エアコン 外界の熱エネルギー 非常に良い。タイマー運転も可。 非常に良い。換気も不要。 非常に良い。 高い。
電気ストーブ 電気抵抗による発生。 機種に依る。 比較的によい。換気も不要。 悪い 安いから、普通。
電気こたつ 電気抵抗による発生。 良い。 非常に良い。換気も不要。 普通。 普通。
電気カーペット 電気抵抗による発生。 やや悪い。 良い。換気も不要。 悪い。 普通。
オイルヒーター
パネルヒーター
電気抵抗による発生。 やや悪い。 非常に良い。換気も不要。瞬発力無し。 非常に悪い。 普通から高い。
床暖房 通常は電気抵抗による発生。 やや悪い。 非常に良い。換気も不要。 非常に悪い。 非常に高い。

 

断熱

断熱性の問題も非常に重要です。熱の伝わり方は、伝導、放射、対流の三つです。家の外との関係で考えると、放射と伝導を防ぐ必要があります。暖房を行っている部分、又は外界との断熱を考慮しましょう。

外界への熱の放出は多くの場合、窓ガラスです。厚手のカーテンを使用する事によって、部屋の断熱性にかなりの違いが出ます。エアコンの項目でもお話ししましたが、中でも防音カーテンが断熱性にも非常にすぐれています。結露防止にもなります。(もちろん晴れた昼間はカーテンを開けて日光の熱を室内に取り入れて下さい。)なお、防音カーテンは防音性にはあまり期待はしないで下さい。音が柔らかくなる程度です。

なお、カーテンは床に擦るぐらいの一杯の長さにして下さい。たとえ、はき出し窓で無くても、床まで届くぐらいのぎりぎりにする事が、断熱を考えるには大切な事です。
さらに断熱結露防止シートを窓ガラスに張る事により、断熱性を高める事も出来ます。併用すれば効果も上がります。

よく言われるコールドドラフト現象も、窓の断熱をしっかりとしていれば、大して気にする必要はありません。(コールドドラフト現象とは、暖房器具で暖められた空気が窓の冷気で急激に冷やされ、部屋に循環し、部屋の上部だけが暖かく居室内が寒く感じられること。ストーブを窓の近辺に窓を背にして置くと良いと言われます。)

また、床の断熱には、厚手のジュータンやカーペットを敷きましょう。電気カーペットやこたつを使われる場合も下にカーペットを敷くことにより暖房経費を節減出来ます。

寝具

暖かな寝具を使用して下さい。電気毛布や電気あんかの使用を最低限にする事も大切なことです。

羽毛ふとんなどを思い浮かべられる方も多いでしょう。しかし、基本的には、羽毛ふとんと、最新のポリエステル繊維ふとんとの保温性や軽さの違いはありません。コンフォレルクォロフィルホロフィル ウォシュロンなどの中空繊維(繊維断面に空間があり、空気を含む)を使ったものは、羽毛に比べれば値段も安く、ダニやカビの発生なども無く、管理も楽です。ウォシュロンは他のものに比べるとやや断熱性が劣りますが、値段が安く、耐久性があり、掛け布団だけで無く、敷き布団も販売されています。

なお、羽毛ふとんは寝汗などにより湿気をおびた場合は保温性が50%も低下しますが、中空繊維ではこのような事はありませんので、実使用上は一番すぐれています。中でも、中空繊維を粒状の綿に加工したコンフォレル ダウンエッセンスは、羽毛のような寝心地です。

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