エアコンの節電

エアコンの賢い使い方

冷却のみするタイプをクーラーとも言います。
ビル全体を冷やす大型機では、チラーとも呼ばれ、冷暖房をする物をヒートポンプ・チラーとも言います。ヒートポンプとは、文字どおり熱を汲み上げるポンプです。外界の環境から、又は室内環境へ、熱を放出、吸収するものです。

エアコンの電気代の節約余地は大きいものです

なぜなら、似たような冷蔵庫が個別に完成独立した製品であるのに対して、エアコンは住居、室内を含めたトータルシステムなのですから、そのシステムを最終的に完成させるのは、メーカーでは無く、あなた自身なのですから。

買い換え

冷蔵庫の項目でも述べましたが、古い機種では買い換えることがもっとも適切です。エアコンも冷蔵庫と同じような位置づけですので、買い換えるにあたってのアドバイスも同じです。

一般論

さて、エアコンの節電ですが、最初に思いつくのは、夏であれば設定温度を上げる、冬であれば下げるということです。冬に対しては暖房費の節約で述べますので、ここでは主に夏の冷房に関して考えますが、基本は同じです。

無駄な冷やし方をしないという事は、地球環境に対しても大切な事で、健康に対しても大切なことです。不快指数と言うものがありますが、温度だけでなく湿度が大きく影響します。温度が低いと空気中に含む事が出来る水分が少なくなりますので、エアコンの冷却板に触れた空気からは、水分が除去されます。やがて不快指数が下がり湿度の面でも快適に感じます。

ですから、少し高めの温度に設定して作動させても、充分なのです。ただ、人は最初は物足りなく思え、冷やしすぎる傾向にあります。外気温から5度以内と良く言われますが、これは健康面からのものですが、節電面からも同じです。通常、自動で作動させると冷やしすぎますので、個別に冷房設定をして、温度を設定して下さい。しばらく動かしてから、一度程度、設定温度を上げるという運用も有効です。
梅雨時や猛暑で無い場合は、除湿設定で動かすということも有用です(ただし、再加熱するタイプでは除湿のほうが電気代がかかります)。ただ、あまりやりすぎると、何の為のエアコンかとなりますね。では、次。

フィルターの掃除と送風

まめにフィルターの掃除をしていますか。よく言われる事ですね。フィルターが詰まり気味であると、エアコンは合理的に必要な以上に、無駄に、コンプレッサーを回しすぎてしまいます。
そして、この事はあまり知られていませんが、同じ理由で、エアコンの送風は強めの方が節電出来ます。弱送風、清音送風は、電気代が無駄になりがちです。たぶん、これは感覚的に送風弱のほうが節電できると、勘違いをしている人が多いと思います。

機種によっては使えませんが、フィルターに関しては、エアコンの付属のフィルターに頼らず、使い捨てのエアコン全面をカバーするフィルターがお薦めです。一枚100円ぐらいからあります。抗菌、防かび、消臭の機能を持っているものでも300円ぐらいで、二ヶ月は持ちます。清潔で楽です。
一般のお店にはあまり売っていないので楽天でフィルターを見て下さい。

エアコンの内部清掃

そして、フィルターの掃除だけでなく、室内機の内部のクリーニングも必要です。ただし、しっかりとするとなると専門業者や電器店に頼む事になり、1から2万円の出費になり、総合的な経費の節約にはなりません(エアコン内部の黒い沁みはカビですので、お金の問題ばかりではありませんので、必要なら、数年に一度ぐらいは依頼するのも良いでしょう)。
出来れば、これは自分でやりましょう。完璧とは言いませんが、普通に出来ますよ。

エアコンのカバーを外して、フィルターを外して下さい。冷却フィン(冷却板)が見えますね。使い古した歯ブラシで、フィンにそって、表面の綿ぼこりなどを掃除をして下さい。その時に冷却フィンを潰さないように気を付けて下さい。その後、ホームセンターなどで売っているエアコン掃除用のスプレーを使って下さい。掃除は完璧で無くても良いのです。薬剤には抗菌剤、向カビ剤が入っていますので、それだけでも、健康に有用です。また、その時に外したフィルターも水洗いして下さい。又は網戸用の洗浄スプレーを使って下さい。
エアコン洗浄剤(普通の製品で良ければホームセンターで500円程度です)

また、室外機も刷毛や箒などを使って、フィンを外部から、出来る範囲で掃除して下さい。室外機のフィンは室内機の物と違って、丈夫ですので、少々強めでも構いません。また、室外機が直射日光にあたる位置にある場合、すだれなどで遮光しましょう(ファンの風をさえぎらない事)。

室内の断熱

これだけでは普通ですね。さて、部屋の窓に日光があたる場合で, 可能であれば, 窓の外にすだれやよしずをつけて、日光をさえぎって下さい。
ちなみに、室内にあるブラインドには省エネ効果はありません。吸収した日光の熱エネルギーを室内に放出してしまうからです。すだれやよしずは吸収した熱エネルギーを室外で受けて室外に放出してくれます。

又は、もしくは併用として、レースカーテンを紫外線散乱作用のあるものに替えて下さい。室内からは外が見えて外からは室内が見えない異形断面糸を使ったミラーカーテンが、断熱としてもお薦めです。紫外線カットミラーカーテンを見てみる。場合によっては断熱性のある厚い遮光カーテンも付けて下さい。(カーテンはブラインドと違い、窓ガラスと生地の間に空気の層を閉じ込めるので室内設置であっても断熱性が出ます。)

防音カーテンなどは一般的に断熱性が非常に高いです。防音性能に期待するより断熱性に期待出来ます。通常、防音、断熱、遮光を兼ねています。防音カーテンを見てみる。
窓の断熱は冷房にも暖房にも非常に影響の大きいもので、その交換経費は2年ぐらいで元が取れるほどです。ただし、稼働日数、効果によります。
当然ですが、日中であっても、非常に暑い日はレースカーテンだけでなく、カーテンも閉めてしまいましょう。照明費は相殺してお釣りが来ます。

連続稼働

前記の対策を全て行った方で、かつエアコン可動時間が多い方。概ね一日中、家に籠っている方で、毎日、午前中から深夜、あるいは翌早朝までエアコンを稼働する方。その方は、温度設定を高めで、24時間エアコンを稼働して下さい。フィルター掃除時や換気時以外は、多少の外出時も切らないで下さい。

ある程度以上使うのなら、部屋の温度を維持し続けた方が電気の消費量は少ないのです。一度、室内の壁や床などを暖めてしまうと、冷却するのに膨大なエネルギーが要ります。

スポンサーリンク