新暦と旧暦の歴史とその背景

新暦の成り立ち

新暦と言うのは、太陽暦の一種で、現在、新暦と言われているのは、グレゴリオ暦のことです。

紀元前8世紀頃はロムルス暦が使われていました。Marchから始まる10ヶ月で1年が出来ていました。うるう月がありましたが、この運用がいいかげんになった為、実情に合わなくなりました。

そこで、シーザーが紀元前46年にユリウス暦を作ります。
ジュリアス(ユリウス)・シーザー(カエサル)が採用しましたので、ユリウス歴と言います。
この時代が長く続き、1582年10月4日の翌日を、10月15日として、グレゴリオ暦になります。

ちなみに元々はOctoberは8月でした。オクトパスは8を意味しますよね。皇帝のシーザーやアウグストゥスが勝手に暦を弄り回したのですが、この話は長くなるので、割愛します。まあ、身勝手な理由と言っておきます。

新暦と旧暦の補正法

日本で旧暦と呼ばれるものは、中国で紀元前5世紀頃作られた太陽太陰暦が元です。その後、72季節などの追加が行われ、代表的なものは天保暦です。

元々地球の公転周期と、地球の自転周期、月の公転周期は割り切れませんので、暦と言うものは、様々なずれが生じます。

今の太陽暦、グレゴリオ歴は、うるう年(うるう日)で補正するのですが、その方法が非常に複雑に成っています。
うるう年は、四年に一回ですが、100年に一回はうるう年にしません。ところが400年に一回はうるう年にします。現代では、その他にもうるう秒を入れたり、色々複雑になっています。
また、月の日にち指定が、旧暦の大の月、小の月のような規則性がありませんので、何月の何日から、何月の何日まで、何日あるかと言うような計算がすぐに出来ません。

旧暦の太陽太陰暦は、地球の公転軌道上(黄道)を24に区切った節季という暦概念を併用します。これが24節季です。
それをそれぞれに三等分して72季節があります。天体運動と絶対にずれない基点として、24節季などを作り、天体の動きに忠実に、日はずれるにまかせたのです。

ある意味では、非常に合理的な暦です。月が実際の月の動きと一致しますので、日にちを見ただけで、月の満ち欠けなどを知ることができます。
その代わりうるう月が19年に7回出来てしまいますが、それを24節季が補正しているのです。
24節季はグレゴリオ暦からみると、毎年5時間30数分づつずれて行きますが、それはグレゴリオ暦の方がずれる為です。うるう年でグレゴリオ暦は修正されます。旧暦の24節季は元々ずれませんので、修正不要です。

旧暦のこの公転軌道上の始めの基点が冬至です。東洋系の占いでは多くの場合、立春が一年の始まりです。立春前の生まれは前年の生まれです。うるう月の入る年では年内の立春になり、これを年内立春と言います。

完全な暦は存在しません

全てに完全な暦と言うものは、無いんですよね。
地球の公転軌道と自転、月の公転が計算で割り切れないので、作るのは不可能です。

新暦は月の公転を無視し、なるべく地球の公転に自転が近くなるように(誤差があります)したものです。
月の公転軌道からは、新暦は大きくずれます(修正はしません)。

旧暦は月軌道とのずれはありません。三日月は三日の日で、十五日は十五夜の月になります。
旧暦は地球の公転軌道に完全に一致する72季節(24節季)の暦を作り、地球の自転と月の公転に一致する月日の暦を作りました(それと公転はずれるのでうるう月で修正)。
つまり、旧暦は公転と自転に完全に合致する、二つの暦を併用します。

新暦は大まかに合う一つの暦を使います。どちらかと言うと旧暦の方が天文学的です。
ただ現代では、日がずれると困る場合もあり、新暦(グレゴリオ歴)を良く使います。(世界ではそれが常識ではありません。太陰暦のイスラム歴、ユダヤ歴など、多くの別の暦を使っている国々があります。)

非常にわかり難い文章になってしまいましたね。暦と言うものは複雑です。
とまあ、新暦、旧暦と言うものは、こんなものです。そのうちまた新しい暦が生まれるのかも知れませんね。

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