日本語の中の時間

言語の時空間

日本語の中では、時空間が逆転しているようです。時間と空間の捉え方の相違です。

日本語で前進と言うのは、これから行く場所であって、後戻りと言う表現は、空間的に通って来た道を戻る事と言う意味になります。
ところが、後でね、と言う表現は、過去に通って来た時を言う意味でなく、未来でね、と言う意味です。もっと前でね、と言うのが、過去に於いてと言う意味ですね。

同様に5日後と言うのは未来で、前の日と言うのが、過去です。
一年前って、過去の事ですが、後ろなのに、前と言います。一年後、後ろなのに未来の事です。同じく先に行っていて、私は後で行くからと言う表現もそうです。先と言うのは空間的には、先端の意味です。

時間と空間が日本語の中で逆転しています。前が空間を言う場合には前方の事であり、時間を言い表す場合は、通ってきた時、つまり後ろを表します。これは日本語の表現のすべてに渡ります。

なぜでしょう、、、

たぶん、時間を進む時、人は過去の方に向いて、見つめて、後ろ向きに後ずさりするように未来に進んでいるんですね。
少なくとも人々の意識の中ではそうなんでしょう。だから、未来は見えない、背中の方向にある。でも、だから恐れることなく、未来に進めるんですね。過去を見つめながら。

この歪みって人間の時空間感覚の不思議なんですね。日本語って不思議なものです。

そして、後ろの正面、ここにも出てきました。鏡の不思議と秘密を参照。

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