酢の効用
酸味を付ける
米酢、穀物酢、粕酢、麦芽酢、アルコ-ル酢、合成酢などは、酢酸が主成分です。
鼻につんと感じやすいのは、蒸発し易い為です。ですから、長い間、火にかけると酸が蒸発して、酸味が薄くなります。
レモン、ダイダイ、梅酢、などはクエン酸が主です。
リンゴ酸、酒石酸、クエン酸が、丸く感じられるのは、蒸発がし難いからです。
リンゴ酢(リンゴ酸+酢酸)
ワイン酢(酒石酸+酢酸)
味は、それぞれに異なります。しかし、酸味そのものは、二種類の混ざり方が強く味覚にうったえます。
塩味を丸くする
料理の中の塩でも、塩は酸味を柔めると、お話ししましたが、酢は塩味を柔らかくします。お互いに柔らかくします。
あんばいは、そこから来ている言葉で、料理で使う場合は塩梅と書きます。塩味を梅酢で柔らかく絶妙に調整したからです。
実験したい方は、小皿を二つ用意して、両方に醤油を入れて、片方に酢を数滴落として、味を比べて見て下さい。塩加減が柔らかくなります。
ですから、酢の物は、醤油と酢のバランスによって作られています。酢の種類は、料理により一定でないため、そのバランスを見つけることが大事です。
隠し味として使います。
・塩味を丸くします。
・アルコ-ル飲料に使うと、アルコ-ルが和らぎます。
梅干などは、前者の例で、酎ハイにレモンや梅などの酸味のある物を良く使うのは、後者の例です。
ちなみにビールなどで、コクがあり、切れがあると言う切れは、酸が強い事です。
食欲を誘う香り
醸造酢の香り成分は、70種類程度が知られています。これらは、 加熱で蒸発し易いため、調理には気を付けて下さい。
酢豚、酢を後から加えます。
サラダ、リンゴ酢、ワイン酢、レモン酢などが良く合います。
マリネ(南蛮漬け)、果物の酢を使用します。(臭みを消す)
寿司飯、米酢、粕酢など穀物からとれた酢が良く合います。
酢の物、魚には米酢、粕酢+レモン汁(臭みを消す)。貝類や海草には、リンゴ酢が合うようです。
発色させる
赤色を出します。(暖色は食欲をそそる色です)
生姜(はじかみ)、梅干、レツドキャベツの発色強調などに酢を使います。
変色の防止
酢はゴボウやレンコンの変色防止などにも使います。
リンゴ、バナナ、ビワ、モモなどの果物にも、剥いた後にレモン汁をふり振りかけて置くと変色を防止出来ます。
蛋白質を固める
魚の蛋白質の分解を酢で止める事が出来ます。
魚類の酢締めや、落とし卵を作るとき水の量の1%を塩と一緒に入れます。
保存性の向上
殺菌効果があり、微生物の増力を防止しますので、保存性を高めることが出来ます。
ゼリー化を促進する
果物でジャムやレモネ-ドなどを作る時に、ペクチンをどろりとするために、レモン汁や酢を加えます。
卵白の泡立ての時に、レモン汁や酢を加えるとふわとした綺麗な泡が出来ます。
ゼリ-、ゼラチン液に酢又は、レモン汁を加えると失敗が少ないです。