地震や災害に備える技

大切な防災の方針

地震を始め、天災と言うものは予測のしがたいものです。「天災は忘れた頃にやって来る」という言葉がありますが、もちろん本当に忘れた頃を見計らってやって来るというわけではなく、不意打ちと言うことを表している言葉ですね。

ですから、対処する方法は一つしかありません。
それは常に意識を高めると言うことではなく、忘れていても、意識していなくても、いつも対処している状態にして置くという事です。実はこれ以外にはありません。

防災の日や災害が起こった時に、慌てて水や非常食や乾電池などのにわか備蓄をして、そのまま忘れてしまい、いざと言う時には、非常食や水などの賞味期間も切れ、乾電池は切らしている状態、又は、放電していて使えない、こう言う方がほとんどではないでしょうか。

そうではなく、災害時にも困らないように、いつもの生活をほんの少しだけ、変更して置くのです。これは何も難しいことではありません。そして、特に経費が掛かることでもありません。むしろ合理的な生活設計にもなります。
参考になった物だけでも結構ですので、今日現在より、実行して頂きたいと思っています。

震災に必要な物(明かりと心)

さて、地震などの災害時に最も必要な物は何でしょう。なかなか一つには決められないのはもちろんです。水も食料も明かりも衣類も何もかもが必要です。一つ一つ言及をしていきますが、まず最初に必要なものと思われる具体的なものは、明かりです。

なぜかと言いますと、こう言う非常事態には、心が萎えることが一番怖いのです。心さえ萎えなければ、色々な知恵も浮かびます。つらい中でも前に進む力が湧きます。もちろん、常に冷静に対処すると言うことが難しいのは事実ですが、少なくとも萎えるように仕向けないことです。

地震などの災害はいつ起こるか分かりません。夜かも知れませんし、昼間かも知れません。しかし、昼間であっても必ず夜は来るのです。未曾有の災害の中、呆然として最初の一夜を過ごします。もちろん電気は止まっています。その暗い中、家族と寄り添い、あるいは一人で。どんなに強い精神の方でも、夜に心が萎えます。そこに一つの暖色系の明かりがあったのならば、本当に心強いものです。たとえ避難所の中にいても自分の自由になる明かりは心のために大切です。

理解されにくいかも知れませんが、非常時は普通の精神状態ではありません。灯火一つだけでもあなたを支えます。それに実用性の面でも大切なものです。
夜中に地震があった場合、暗闇だとガラスの破片などで足を切ります。そして化膿が始まります。
明かりは自分の居所を教えるのにも役に立ちます。いざと言うときの明かりは絶対に必要です。

明かりの用意

まず、普通はロウソクが思い浮かびますが、震災時に事故が多いのもロウソクの明かりです。ガス漏れや可燃物の散乱などで、不用意にロウソクを使って火災を起こす事例がとても多いのです。地震の後の火災発生の原因の一つです。ですから、ロウソクなどは安全を確かめてから、つまり暫く立ってから使う物と心得ていて下さい。

具体的には、LED懐中電灯、そして、小さなもので良いので、LEDランタンを必ず用意して置いて下さい。懐中電灯はお持ちの方が多いと思いますので、ランタンの説明をします。

地震などの災害時に使う事を想定して考えると、必ず暖色系の明かりのランタンにすることをお奨めします。LEDは青白い光のものが多いのですが、心が萎えそうな時、青白い光は、人の心を益々寒々しくします。暖色系の明かりは意欲を高め、希望を与えてくれます。普通は数十時間使えますので、電池を取り替えなくても三日ぐらいは大丈夫です。

また、購入したランタンは、キャンプ等にも使えますが、生活の中ではたまにムードランプとして使いましょう。それにはロウソクのような暖色系の明かりでないと困りますよね。そうです、何かの記念日の夕食や就眠前に洋酒などでくつろぐときに、照明を消して、おしゃれな暖色系のランタンの明かりを楽しむ生活習慣は、いざと言うときにそのまま災害時に役に立つのです。
LEDランタン参考例

こちらがお奨めLEDランタンのGENTOS(ジェントス)のLEDランタンのエクスプローラーシリーズの単3電池用です。タフで明るく暖色系の明かりが多いです。

また出来れば、通常のインテリアとして、キャンドル風の小さなLEDを玄関などに灯して置きましょう。単3電池を使用するようなものであれば、充電池が使えますし、24時間点灯で、2.3週間は電池の交換も不要です。
もし真夜中に地震などの災害があって、電気が途絶えても真の闇にならず、落ち着いた行動が出来ます。

このようなインテリアは私も使用しています。特に経費も掛かりませんし、おしゃれに飾るととても素敵なもので、災害のためを意識しないまでも、生活を豊かにしてくれる物です。(大地震時などに壊れる事も想定して、手探りで点灯できるような分かりやすいところにLEDの懐中電灯もつるして置きましょう。念のため)

LEDキャンドル参考例 標準的な充電池で使用できる単3電池や単4電池が使える物がお奨めです。

LED懐中電灯参考例 懐中電灯は、青白い物でも結構ですが、明るくて使用時間が長い、単3単4電池使用のものを選んで下さい。

ロウソクも火災などの危険がないことを確かめた後で使用出来ますので、準備しておく事をお奨めします。ロウソクの良いところは、長年経っていても使用が出来ることです。30年前に購入したロウソクでも使用出来ますので、その点での安心感があります。

そのロウソクですが、普通の物でなく、アロマキャンドルの様な物を用意すると、常の生活でも活用でき、いつも何本かのロウソクが家にあるという生活になります。
アロマキャンドル参考例

また、冬場の暖房で使ったの残りの灯油をあき缶などに入れて、ティッシュでこよりを作り、芯にして火を灯すと言うことも出来ますので、覚えて置いて下さい。(灯油は常温では芯などがなければ燃えません。特にお奨めと言うわけでもありませんが、灯油ランプ参考例です。

電池

さて、いざと言うときには、ライトやラジオなども含め、乾電池が必要です。しかし、乾電池は、家の中からすべて追い出して置いて下さい。すべての生活のための携帯電気器具類は、乾電池の使用を止め、乾電池型充電池を使用する生活習慣を作って下さい。

乾電池を使用している生活は、いざと言うときに電池を切らしていることが多いのです。充電池を常に使用していれば、どんな時でも充電済みの充電池が家の中にいくつもあるという状態になっているはずです。それが災害時に役に立ちますし、節約にも成ります。

しかし、普通の充電池は、充電して置くと一月もすると放電してしまい、震災時のいざと言うときに使えません。
ですから、必ずエネループを使います。又はエネループのような特性の充電池を使います。
エネループの特徴は、自己放電が非常に少なく、1年ぐらい経っても、数%程度しか放電しません。3年ぐらいはほったらかしで十分使用出来ます。5年経過時でも、70%の残量が残っています。
もちろん、充電容量は普通のマンガン電池やアルカリ電池の3~4倍ありますので、乾電池より持ちも良いです。(特性が違うので、機器により使用時間が短くなることも希にあり)

また、自己放電が少ないので、目覚まし時計やリモコンの電池などにも使用可です。また、他の充電池に比べ、使用時にガスの発生が非常に少ないので、充電池を使用しないで下さいと書いてある密閉機器(電池式防水ひげそりなど)でもエネループなら、通常は使用可です。(密閉機器では充電池はエネループのみ使用可としている機器もあります)

そして、今後購入する機器は、単3ないし、単4電池を使用する物にしてください。エネループを使用しますが、何かの時に通常の乾電池も使いますので、最も生産量が多い(災害時にも入手しやすい)、単3単4を主体に考えます。
それにエネループも単3単4が安価です。単1や単2用に使用するときは、専用のスペーサーを使って単3エネループが使えます。

エネループは、2000回ほど充電可能ですので、毎週充電しても30年以上使えます。経済面でも非常に役に立ちますので、ある程度の数を予め買い求め、常に充電して保管し、通常の生活で使用していてください。その習慣がいざと言うときに役に立ちます。
こちらがエネループです。単3か、又は単4も入れて両方を確保してください。どこの家電店でも買えます。専用充電器が必要です。まとめ買いはネットがお得です。不良品でなければ、使い方にも寄りますが、一生使えます。(特性上、ぎりぎりまで放電し尽くしてしまうと、寿命が短くなる場合がありますので注意)
なお、エネループは三洋電機の商品でしたが、三洋がパナソニックに吸収された後、当社のエボルタと商品統合されつつあります。エネループの技術が入り、エボルタも放電量の少ない充電池になっています。充電式エボルタ
その他の充電池も放電量の少ないものが開発されてきましたが、エネループ等の系列の電池の特性が良いようです。

水の確保

地震時には必ず断水があります。
また、井戸水を使って居る方も地盤変動で水脈が途絶えることも想定して置いて下さい。今までの地震の例でも給水車が1週間ほど来なかった地域もありますので、いざと言うときの水の確保は絶対に必要です。

まず、順番に話しますが、トイレの手洗いの水がトイレの給水タンクに流れ込まない構造の家の方、地震が起ったら、水を流さないで下さい。給水タンクには、飲める水が入っています。必ず最初に確保して下さい。トイレを流すのはお風呂の残り水や、近くの川か池で水を汲んで来て使用して下さい。

冷蔵庫の脱臭剤(活性炭のもの)は、使用済みでも棄てないで取っておきましょう。ざるにティッシュなどを敷き、そこに中身の活性炭を入れて下さい。お風呂の残り水や比較的に綺麗な水をそれでろ過してください(脱臭に使っただけのものは十分水のろ過に使えます)。その後、沸かして消毒して、飲み水としても使用して下さい。
全自動洗濯機(通常の方式のもの)のタンクの下にもバランサーとして、すすぎの後の水が一定量溜まっていますので、何かに利用して下さい。

ペットボトルのミネラルウォーターの確保は必要です。人数にも寄りますが、箱買いで二箱程度は確保して置いて下さい。二年ぐらい賞味期間がありますので、購入時期をずらして購入し、賞味期間が迫ってきた物は通常に飲用して、買い替えます。

海外の銘柄は殺菌消毒をしていないものが多い為、日本のメーカーの物を保存しましょう(以前は殺菌が義務づけられていましたが、法律が改正され、今では日本のものも殺菌されていないものもある可能性がありますが、大抵細菌ろ過の膜処理はしています)。
しかし、いずれにしても賞味期限までは持ちます。
災害用の長期保管可能水は、買い替える手間が少なくてよろしいかも知れません。

また、ペットボトルのお茶を飲まれる習慣のある方は、なるべくコンビニなどで買わず、ネットなどで箱買いしてベランダなどに保管、利用するようにします。
すると、常時ある程度の飲める飲料の在庫がある状態になりますし、半額以下で購入出来ますので、節約にもなります。激安販売のお茶

食料品の確保

通常は、家の中にある程度の食料があると思いますので、特に非常食はいらないかも知れません。しかし、食品が乏しいときに地震などが起こる事も想定されますので、ある程度の備えは必要です。

非常食用の食品は、たいていの場合、忘れてしまっていざと言うときに賞味期限が終わっていると言うことも考えられますし、賞味期限の管理も煩雑です。実際は少々賞味期限が過ぎていても食べられますが、非常時は体力も精神力も弱っていますので、期限切れには注意する必要があります。
缶詰類は、賞味期限が過ぎていても缶そのものが破損していない限り、食べることが可能なので、多少用意して置くことも大切です。

少し高いのですが、25年程度持つ、窒素を充填した特殊な非常食があります。これは自治体などの備蓄にも使われている物で、ほったらかしの安心感があります。可能であれば、この非常食を買い求め、押し入れなどにしまって置いて、忘れているぐらいで大丈夫です。

これを基本にして、後は普通に家庭内にある食品で十分だと思います。

1セット3万円ぐらいに成りますが、これで2~30年程度の安心が買えると思うと、何度も非常食の買い直しをするより、遙かに経済的です。お湯さえあれば戻せるドライシチューやビスケットになりますが、乾パンなどより食べやすく美味しいですよ。私も常備しています。
このサバイバルフーズは、25年持ちます。米国陸軍やNASAでも使われています。

調理器具

冬のお鍋などのために、カセット型のコンロを用意して置きます。
これが非常時には、炊事道具として使えます。ガスコンセントなどが室内に配管してあり、そうした器具の必要がない方も、お鍋などはカセットコンロを使用してください。そういうものを使っていると、いつでも予備のカセットのいくつかは家にある状態になります。カセット一つあたり1時間以上は使えますので、炊事だけで無く、多少の暖房にもなります。
カセットコンロ参考例

非常持ち出し袋

出来れば用意した方が良いでしょう。そして、リックサックのような両手がふさがらない物がふさわしいです。
このあたりは、色々なところで説明されていると思いますので、簡略化しますが、あまり紹介されていない内容物を書きます。

タオルは必要です。体に密着させて防寒にもなりますし、包帯代わりにも止血にも使えます。体を拭く布にもなり、ぬらせば、一時的な防毒マスクにもなります。場所を取らない圧縮タオルも意外に便利です。

スリッパも必要です。慌てて飛び出して、履き物が無い状態でも大丈夫です。また避難所などでもスリッパに履き替えてくつろげます。出来れば旅行用の折りたたみが良いですね。

ロープや紐類も必要です。何かを縛って運んだり、振り分け荷物にしたり、避難所では洗濯物を干すときに使えます。洗濯ロープでも可です。

非常持ち出しリック参考例

圧縮タオル参考例 水につけるなどで元に戻ります。購入は復元後の大きさに注意。
旅行用スリッパ

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