マイナスイオンについて

マイナスイオンとは

レナード効果

ドイツの物理学者のレナードにちなみます。滝の電気についての論文で、この現象を解明しました。また1905年、陰極線の研究により、ノーベル物理学賞を授賞しています。
水の上、又は濡れた個体の上に落ちる水滴は電気を発生します。水はプラスに帯電し、周りの空気はマイナスに帯電します。
もし、滝の傍の清々しさなどがマイナスイオンによるものであるならば、このレナード効果によるものです。

家電メーカーの言っているマイナスイオンとは

家電メーカーの言っているマイナスイオンとはなんでしょう。さっぱりわかりません。
普通は当然にアニオンの事を言っていると思いましたが、パンフレットやメーカーの言ってる事を読むと、ニュアンスが違います。
どうやら実体は帯電した微小な水分のようです。それをマイナスイオンと名付けているようです。

自然界ではレナード効果によって発生してますが、レナード効果は微細な水滴がプラスに帯電しますので、まわりの空気がマイナスに帯電します。

この空気イオンについてはまだよく解っていなくて、微細なちりや埃である場合も多いのですが、そればかりではないみたいです。
これが自然界におけるマイナスイオンです。

ですから、家電メーカーの電気生成のマイナスイオンは、どうも微細な水滴そのものがマイナスに帯電してるみたいで、少し意味合いが違うようです。

つまりレナード効果のマイナスイオンは、微細な水滴がプラスに帯電するため、周りの空気がマイナスに帯電します。
家電メーカーの言っているマイナスイオンは、微細な水滴そのものがマイナスに帯電しますので、周りの空気がプラスに帯電でしょうか?

マイナスイオンの発生方式の問題点

いわゆるマイナスイオンを発生させる方法には、様々なものがありますが、その方式に対して幾つか問題があります。

知られている発生方法としては、レナード法、プラズマ(コロナ)放電、電子放射式、紫外線、放射線、又はトルマリンなどがあります。家電メーカーによっては、その発生方法を明確に示してはいません。
レナード法は、水をバシャバシャさせて発生させます。もっとも問題の少ない方法です。これは湿度も多少上がりますし、機構も大がかりになり、普通の電気製品では使われていないはずです。

コロナ放電は、何社かが使っているようです。発生部を見る事が出来るなら、青白い光が見えるはずです。
もっとも簡単な方法で安上がりです。問題点としては、人体に有害なオゾンとか、窒素酸化物を副次的に生成してしまいます。電磁波も大量に発生します。

オゾンは殺菌力があって、健康に良いなどと開き直っているメーカーもあるようで、確かに昔はそう思われていましたが、現代では肺がんなどを誘発すると言われています。もちろん高濃度では人はすぐに死んでしまいます。低濃度の基準濃度以内でも肺がんを促進してしまうという報告もあります。

ところでオゾンは光化学スモッグの主成分であることはご存じでしょうか。車などからの窒素酸化物に強い日光が当たって出る大気汚染物質の一つです。100万分の0.12あれば、光化学スモッグの警報が発令されます。

コロナ放電は、はっきりオゾン臭がします。オゾンは微量ですと、すがすがしい感じがします。それをマイナスイオンの効果のすがすがしさだと勘違いしている方もいらっしゃるんじゃ無いでしょうか。
この方式は、おそらくエアコンでも数社、ドライヤーなどでは、かなり使っているものと推測します。

電子放射式はイオン針を使う方法で、オゾン発生がほとんど無い方法ですが、これにも問題点があります。
イオン針が汚れたり、長年つかって酸化してくると、オゾンを大量発生してしまう事もあるようです。これも有名某社を含め何社かが使っている様です。
他の方法、放射線などは問題外で、使用されていないと思いますが、わかりません。

いずれにしても電気的に発生させる方法は、オゾンや、活性酸素、窒素酸化物を付随的に作りだしてしまう恐れがあるようで、大変危険です。マイナスイオンの寿命に対して、他の物の寿命は比較的長いので、部屋の中に蓄積してしまいます。
各メーカーが少しでもそれらの発生を低下させるよう努力してる事を祈るしかありません。

トルマリンを発生に使っているメーカーもあるようです。これには問題点はありませんが、イオン発生量はどうでしょう。
単結晶で発生はあるものの、加工した物でも発生するかは疑問でもあります。また、エネルギーとして摩擦、その他が必要で、静止状態で発生するものではありません。
ただ熱エネルギーなどでも発生しますので、ある程度の発生はあるものと思います。

マイナスイオンっていいの

この効果については色々言われていますが、どうもオカルト的な感じもあり、はっきりとした効果が実証されたものでも無いようです。
まったくないともいえません。もし、細菌類がプラスに帯電しておれば落ちる(落下する)わけですから、それがいわゆる効能かも知れません。
但し、それのみがよく言われているような効能とも言えないわけです。

人体に対しても良い影響あるかはよく解りません。本当のところは、まったく解りません。アルカリイオン水のように、いつの間にか忘れ去られる存在かも知れません。

マイナスイオンのドライヤーなどでは、洗髪はシャンプーでマイナスに帯電しますので、リンスのプラスで中和します。その際に残ったプラスを更にマイナスイオンで中和出来るという利点はあるかとも思います。

ただ、電位的に中立が最も安定しているわけで、プラスイオンが過剰であると過程すれば、中和の為のご利益があるでしょう。(海の水はナトリウムが多いのでどうしてもプラスに成りがちです。反対に滝の近くはマイナスが多いですね)。
現代では都市部などプラスイオンが過剰なようですので、確かに何らかの効果があるのかも知れません。

ただし、もし、何らかの効能が存在するとするならば、それは自然界のレナード効果によるマイナスイオンではないかとも思います。電気生成したマイナスイオンと滝の傍などのレナード効果によるマイナスイオンは、「家電メーカーの言っているマイナスイオンとは」で書きましたように別物です。

しかし、いずれにしても、「マイナスイオンの発生方式の問題点」で書きましたように、発生方式によっては、副次的に作り出されるものの害がのほうが心配です。

害が無く、簡単に発生させる事が出来る方法としては、レナード効果を使った方法です。お風呂でシャワーを浴びることや庭に散水すると言う事が良いのかも知れません。
レナード法を使ったマイナスイオン発生器は、ものによってはかなり高価になります。
レナード効果のマイナスイオン発生器
またはトルマリン原石を使い、たまにさすったり、風をあてたりして、エネルギーを供給して、発生させるというのも良いでしょうね。

クラスターイオン(除菌イオン)

変わったところでは、シャープがクラスターイオンを発生させます。これによってかび菌などを無害化するようです。その効果は認められるということです。

クラスターイオンと言うのは、マイナス、プラスイオンが集合している状態です。

ところがパンフレットなどで確認すると、どうもマイナス、プラスイオンを同数発生しているだけみたいで、これをクラスターと呼べるかどうか、私は疑問です。そのためか、プラズマクラスターイオンと呼んでいるようです。まあ、用語としては悪くないかも知れません。
(後日、加筆。パンフレットなどでは除菌イオンという名称に変更したようです。定義上、やはり問題があると認識した為でしょうか。)

また、パンフレットにはかび菌の消滅データも乗っており、それを信じるならば、これでも効果はあるでしょうか。
ただし、その計測データはかなり低湿度の環境で計測した、かびに取っては生息しがたい不利な条件のものです。もっともエアコンのデータですので、当然に湿度も下がりますので、実際に(そのためにも)消失するは間違いないでしょうから、誤魔化しとも言えないのかも知れません。

ただし、発生方法と有害オゾン生成量がわかりません。調べて見ましたが、発生メカニズムが推測出来ませんでした。

そこで電話して見ました。

「オゾンとNOxの生成量を知りたい」
「オゾンは国際基準の十分の一です。」
「数値は?」
「・・・」(返事なし)
「国際基準は0.05ppmですよね。その測定地点は、発生源ですか、何メートルか放れた所ですか。」
「手持ちの資料にはそう書いてあるだけなので・・・」
「発生方法はコロナ放電ですか」
「当然そうだと思います」
「その数値なら電子放射式ではないですか。」
「・・・工場に問い合わせしようと思いましたが、今日は休みで、、」
「NOxは?」
「・・・」(返事なし)
「ありがとうございました。」がちゃ。

さっぱりわかりません。

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