オリゴ糖の効果と種類

オリゴ糖とは

オリゴとは、ギリシャ語で少ないという意味です。

ですから、端的に言うとオリゴ糖とは、単糖が数個で出来ている小糖類の事を言います。膨大な種類があって、天然のもの、合成されたものなどがあります。もちろん、性質も様々で、消化され易いものから、消化されにくいものまであり、珍しいものや一般的なものもあります。定義上、砂糖などもオリゴ糖と分類が出来ます。

ただし、一般的に使われる分類の仕方では、その中でも虫歯の原因にならず、人に消化され難く、ビフィズス菌等の栄養になる糖類の事を差しているようです。ようですと曖昧ですが、オリゴ糖は厳密に区分けされることはあまりなく、健康に良い、人に取って有用なものをオリゴ糖と単純に名付けているのが実態です。
科学的にはやや厳密性には欠けますが、同じ現象を人に取って役に立つ発酵と腐敗を分けて記述していることと同じだとおもってください。

ここでは一般的な分類に従って、小腸では消化されにくく乳酸菌の発育を助け、そのために人に取っても様々な有益な作用のある糖類の事として述べます。

オリゴ糖の性質

消化されないか、消化されにくい訳ですので、大腸内にまで届きます。

そこで乳酸菌類によって始めて分解されますので、当然、ダイエット甘味料的な性格があります。多くの場合、乳酸菌の増殖作用がオリゴ糖の最も有用な性質です。また、近年ではアトピーの改善に効果がある事が分かって来ました。

元々オリゴ糖の有用性が発見されたのは、母乳からです。母乳で育った乳児は、粉ミルクなどで育った乳児より、様々な面で病気に強く、健康的であることが知られていました。やがて、母乳で育った乳児の便からビフィズス菌が発見されたことにより、母乳の中のオリゴ糖のビフィズス菌の増殖作用が知られました。

ビフィズス菌と増やし方で述べましたが、この有用なビフィズス菌の増殖にもっとも効果があるのが、このオリゴ糖です。
また、蟹や海老の殻に含まれるキチンオリゴ糖には腫瘍抑制効果がある事が発見され、寒天由来のアガロオリゴ糖(寒天が胃酸によって消化されると生成する)にも同じく強い抗癌性、また、関節リューマチの治療抑制効果が発見されています。

オリゴ糖の種類と特徴

一般的に売られているオリゴ糖としては、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース(甜菜オリゴ、ビートオリゴ)、キシロオリゴ糖などがあり、様々な区分けや呼び方がされます。)

ここで、よく知られたオリゴ糖の名称の説明をします。オリゴ糖の種類は多いので、主立った一部になります。

イソマルトオリゴ糖

蜂蜜、醤油、味噌、酒などにやや含まれています。こくのある甘みがあり、非常に熱や酸に強くて変質しにくく、料理などに使用するのにも最適です。

虫歯にもなりにくいオリゴ糖ですが、やや消化性があり、ダイエット甘味料的な使い方にはやや不利ですが、砂糖よりカロリーは低く、置き換えを考えるとダイエットにも良いでしょう。ビフィズス菌の増殖作用はありますが、やや劣る感じもあります。ただし、安価で手に入りますので、普段使いには最適です。
イソマルトオリゴ糖

フラクトオリゴ糖

タマネギ、バナナ、ゴボウ、ニンニクなどに含まれます。虫歯にも成りにくく、控えめな甘さで、味は砂糖に近く癖がありません。消化性はあまりありませんのでダイエットにも有用ですが、甘みはやや低いです。

ビフィズス菌の増殖作用のほか、ミネラルの吸収を促進する作用があるようです。もちろん、カルシウムの吸収も促進しますので、骨密度の低下を押さえることが出来、お年寄りの方の健康増進にもお勧め出来ます。もちろん、整腸作用などの便秘の改善など、美容にも最適です。ただし、やや高価なのが難点です。
フラクトオリゴ糖

大豆オリゴ糖

大豆オリゴ糖は、大豆に含まれているオリゴ糖の総称です。主成分はスタキオース、ラフィノースです。
砂糖のように甘く、カロリーは砂糖の約70%で、やや消化性がありますので、ダイエットには向きませんが、ビフィズス菌の増殖作用が強く、整腸作用があります。

ただし、大豆そのものを摂取することにより、大豆オリゴ糖は摂取出来ます。大豆には健康に有用な成分が多く、メタボリックシンドロームの予防や動脈硬化の予防などにも最適です。
大豆オリゴ糖

ガラクトオリゴ糖

母乳に含まれているオリゴ糖で、さわやかな甘みですが、甘みそのものは弱いです。消化性は少なく、ビフィズス菌の増殖作用のほか、タンパク質の吸収を助ける働きがあると言われます。
ガラクトオリゴ糖

乳果オリゴ糖

天然のサトウキビのしょ糖と牛乳の乳糖を原料に、酵素反応させて作られます。

主成分はラクトスクロースで、一般名もこう呼ばれます。ラクチュロースとも言われ、最近は、ミルクオリゴ糖と呼ばれることも増えてきました。

砂糖に近い甘みで、甘みも強いです。虫歯の原因にもなりません。消化性は少なく、ビフィズス菌の増殖作用が強いようです。カロリーも低く、ダイエットにもお勧め出来ます。便通の改善、骨密度の改善などにも効果があると言われていますので、美容にも、お年寄りの方にもお勧め出来ます。
ミルクオリゴ糖

ラフィノース

キャベツ、アスパラガスなどに含まれている天然オリゴ糖です。砂糖大根から精製されます。

酸や熱に強く、煮込み料理などの使用にも問題はありません。免疫活性化、アトピー皮膚炎改善、肝機能改善などに有用との研究もあります。非常に吸湿性が少ないことも特徴です。消化性が割と少なく、低カロリーです。
ラフィノース

キシロオリゴ糖

天然には、タケノコやトウモロコシやキノコの一種に存在が確認されていますが、食物繊維の一種であるトウモロコシの芯のキシランを酵素で分解することによって精製されます。

消化性が無く、低カロリーで虫歯になりにくく、ビフィズス菌の増殖作用も高いようです。整腸作用が強く、便通の改善にも効果的なようです。
キシロオリゴ糖

ビフィズス菌とオリゴ糖

安価なオリゴ糖はイソマルトオリゴ糖ですが、味に癖があるのでシロップを混ぜて市販されています。コーヒーや料理に砂糖代わりに頻繁に使うのが合理的なのかも知れませんが、実際の含有量なども考慮に入れる必要があります。

ただし、ビフィズス菌の増殖効果については、まだよく解っていない側面もありますが、特に乳果オリゴ糖(ミルクオリゴ糖)、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ラフィノース、などがすぐれているようです。ヨーグルト等を摂取するだけで無く、オリゴ糖の補給で乳酸菌そのものに栄養を与える必要があります。

最近、粉末状で砂糖と同じような使い方が出来る製品も販売され、かなり人気が出ているようです。
オリゴ糖の種類はラフィノースが中心ですので、ビフィズス菌の増殖効果に優れています(特に便秘の方にお奨めします。食して数時間後にはお腹がぐるぐるして、便通があります。特に便秘でない方は初めの慣れないうちに量が過ぎると下痢になりますので注意して下さい。個人的にはここまで即効的な効果があるのは初めてでした。
商品名はこちら、カイテキオリゴです。

なお、こう言う物もあります。お手軽です。
乳酸菌(EC-12)(久光製薬のミルクオリゴ糖(乳果オリゴ)と乳酸菌を同時配合したサプリメント)

オリゴ等については、まだわかっていない部分もあります。

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