お金の実質価値は金額×時間

お金の持っている時間

ある人の持っている10万円は、別の人の持っている10万円と、同じ価値でしょうか。

もちろん気持ちの持ち方や経済状態によって、大金だと思う人もいるでしょうし、はした金だと思う人もいるでしょう。しかし、実質的な価値は同じでしょうか。

確かに10万円は10万円です。そうですね。有効に価値ある使い方が出来るかどうか、という違いはありますね。その人が5割引で品物を購入できる、特別なルートをもっていれば、2倍の価値で使うことができます。この意味で経済学の大原則である一物一価は、特殊な状況では成り立たないということになります。(世界の色々な国ではこの特殊な状況のほうが一般的な国はありますね。)

しかし、そういう事ではなく、お金の秘めている価値の事です。同じ10万円でも、実の一杯詰まった10万円と、中身のスカスカな10万円があります。

たとえば税制を別にして、年利7.2%で運用すれば、10年で資金は倍になります。(7.2%は、今現在ではとてつもなく高い利回りだと思われる人もあるでしょうが、少し前までは、預金金利でもそこそこ存在する金利でした。もちろん世界的にも高過ぎる利回りではありません。)

では、単純な試算をして見ましょう。10代の人の持っている10万円を、7.2%の利回りで運用していくとして、その人が20代の時には、20万円になります。30代ではさらに倍になり、40万円になります。このまま運用して行くと、70代の時には640万円になっています。もちろん最初が100万円であったら、6400万円にもなるのです。当然コンスタンスに運用できた場合の話しですが、もっとうまく運用できるのかも知れません。

つまり、10代の人の持っている1万円は、70代の人の持っている64万円と、価値が事実上等しいということになります。

時間は資産

お金の実質的な価値は、金額×時間、と考えないといけません。70代の人が持っているお金は、スカスカのかなり目減りのしたお金で、若い人の持っているお金は、実の一杯詰まっているお金だということです。使う時はそのことをよく考えて使わないといけませんよね。

何か詭弁を語っているように聞こえるかも知れませんが、この事は投資ということを考えるに、実に大切な事を表現しています。つまりあなたのそのお金がどれだけの時間を持っているか、それがどういう投資が出来るかの条件になるからです。

明日使わなければいけないお金は、同じようにかなり目減りしたお金ということです。10年使わなくてもよいお金は、たくさん実の詰まったお金です。10年間、自由になる事を考えれば、それだけ安全性の高い有利な投資が出来るのです。どんなにたくさんのお金があっても、時間をもっているお金でないと、投資は出来ません。

利殖には、たくさんの時間が詰まったお金を用意しなければなりません。もちろんそれはその人の年齢が若いほど、時間の詰まったお金を集められる可能性があります。もし、つまらない事で1万円を浪費してしまうということは、64万円の金額を浪費してしまう事であるかも知れないのです。そのことをよく考える事が必要です。

もちろん若い時に使う1万円は、64万円より価値のある使い方が出来る場合が多くあります。それはそれで実の詰まった価値ある使い方なのです。要はこの事をよく認識する事が大切だという事です。

時間のたくさんある少しのお金。時間の少ないたくさんのお金。投資や利殖の世界では、実は同じ価値なのです。運用力にもよりますが、少しのお金だから何にもならないという事ではないのです。もしかするとあなたはすでにお金持ちなのかも知れません。

少しでも早くお金のことをよく考えるということは、お金に命を吹き込む事だと思います。(当然ですが、お金は手段であって目的ではありませんので、若いうちから、お金、お金とならない事が大切なのは、言うまでもありませんし、若くないと投資が出来ないということではありません。)

スポンサーリンク