為替について

通貨は短期的には思惑

通貨はまた別の通貨との間で、一定の価値で交換されます。
通貨によって、別の通貨を購入するわけです。その交換レートは、市場によって決められ、他の金融商品との取引と、何ら変わりはありません。

ただし固定的な市場は存在せず、相対取引に近い形で取引されます。
たとえば東京外為市場という場所は存在しません。システムとして存在している感じです。これが他の商品とは違う所かも知れません。

基本的には日本の企業が、商品を輸出して、現地通貨で代金を受け取った場合、それを日本の円に交換したい訳です。また、逆もありますね。さらに、ある国に投資したい場合、投資金額をその国の通貨に、交換しなければなりません。
ですから、貿易黒字が多い国の通貨、金利水準、投資価値の高い通貨が、値上がりする傾向にあります。これを実需と言います。

しかし、現在はこの実需筋の取引に占める割合は、全為替取引の数パーセントに過ぎなくなっています。多くは銀行、生保、大口の為替投機家など、機関投資家による取引がほとんどです。
したがって、目先の思惑や利食い、金融当局の介入警戒によっても、大きな動きをします。これが為替の動向を複雑な物にしています。

とはいえ、その国の経済力に応じて、通貨の価値が変動するのは間違い無い事ですし、リスクヘッジを考えると、強い経済力の通貨を持つと言うことも、大切な事であるかも知れません。
そして、ある国の資産は、その国の通貨によって、評価されますので、投資と言う事を考えるに、為替の動向を抜きにするわけにはいきません。

たとえば、外貨建の投資信託、外国株式、預金などは、為替動向によって、収益が相殺されてしまうかも知れません。その反対に、日本の土地や株式に投資していて、値上がりしたとしても、円が対ドルに対してそれ以上値下がりをしたのなら、果たして相対的に資産を保全出来たのかは、微妙な問題になってしまいます。ドル預金にして置いた方が良かったことになります。

為替相場はいつも気にする必要は無いのかも知れませんが、まったく気にしないわけにもいかないですね。

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