ダイアの投資的な資産的な価値について
日本ではダイアモンドの人気は高いようです。さて、このダイアモンドは資産として、又は投資対象としてどうなのでしょうか。
まずダイアモンドには自由な市場、自由な相場らしいものはありません。
世界の供給量の8割近くを占めている国際シンジケートのデ・ビアス社の意向によって、その価格が決まります。ほとんど人為的な価格だと言うことです。中央販売機構( CSO )によって表向きには価格が決まります。参加するのにはデ・ビアスへの貢献や血統(ユダヤ人を優遇)や経営状況などを考慮した、デ・ビアスの認定が要ります。
デ・ビアスはアメリカから独占禁止法認定を受けていて、幹部がアメリカ入国をすると逮捕されてしまうと言う状況です。
ダイアモンドの価格は非常にいびつな価格になっています。
ダイアモンドという鉱石は実は比較的に多産です。基本的に炭素の結晶ですから、地球上のあらゆる所に算出する可能性があります。もちろん結晶化には熱と圧力が必要ですから、古い地層が存在する所にはなります。日本では産出しないと言われていましたが、小さな結晶は発見されています。
地球上における推定埋蔵量は不明です。有名な産地や鉱山ではそれぞれに数千万カラットから数億カラットにもなり、今後も新しい鉱山が発見されうる事を考えると、その総数はとても推定が出来ないからです。
価格維持の為の買い上げがなされ、その費用で卸売価格が跳ね上がると言う、過剰独占ならではの価格構造になっています。
もちろん巨大な結晶には希少性があります。投資対象となるのは、これらのものです。しかし、この流通性は現在ではデ・ビアスによって作られていると言っても過言ではありません。
通常、宝石類は投資対象には不適な物ですが、どの鉱石でも巨大な結晶は、その希少性によって資産的な価値があります。しかし、非常に流通性は乏しく、ダイアモンドのみがデ・ビアスの存在で、ある程度の流通性を保ちます。
また、通常は原石のままで保管されます。
カットされたものでは時代の流行により資産的な価値が減じる場合があるからです。そして、過去には、資産として保有するという習慣があったのはユダヤ人でした。それは迫害の歴史があり、紙幣は動乱により無価値になる可能性があり、金塊では重くていざという時に持って逃げる事が難しかったからです。
ダイアモンドは永遠の輝き(A Diamond is Forever)と言うキャッチコピーによって、婚約リングや結婚リングに用いられることが多くなったのですが、これらはすべて、デ・ビアスの徹底的なキャンペーン活動の見事な成功例です。
一説にはダイアモンドを死蔵させ、価格維持を計る為であったとも言われます。日本では婚約リングは給料の三ヶ月分と言われたりもしますが、これもデ・ビアスのキャンペーンに寄ります。
また、1カラット程度の微小なダイアモンドの価格はデ・ビアスによって価格吊上げが行われていますが、これは日本人が良く購入する価格帯である為とも言われます。デ・ビアスが価格維持に失敗すれば、このクラスは見るも無残な価格になる事は容易に想像出来ます。
ダイアモンドは比較的に多産であると述べましたが、1カラット程度のダイアは言わば、屑ダイアです。もう少しだけ小さなクラスでは、研磨材や切断歯として大量に使われます。以前は人工ダイアモンドより価格競争力がありました。近年は人工ダイアモンドの技術が進歩して同じように使われています。
この人工ダイアモンドの技術はCVD法(Chemical Vapor Deposition)の開発を始め、相当な進歩をしています。
すでに30カラット程度の物は充分に生産可能で、複雑な鑑定をしなければ、天然ダイアモンドとの区別も不可能と言われます。宝飾品として供給されないのはデ・ビアスの圧力だということも言われています。
さて、投資対象や資産としての保有対象になるかという事ですが、以上の事で判断はお任せします。
もちろん、その判断は大きな結晶が投資対象や資産になるかと言う判断であって、数十カラット程度以下の小さな物は、始めから考慮するまでもありません。
あくまで宝飾品として輝きを楽しむ為だけに所有されるのがよろしいかと思います。